苦手なら前準備をしっかりと

採血が苦手な看護師はどうしても苦手意識を持ってしまい、それがますます作業中の焦りや混乱をもたらしてしまう面があります。それがミスをもたらすとますます苦手意識が強まり、ますます焦りや混乱に陥りやすくなる…この悪循環を避ける/断つことができるかどうかが採血をうまく行えるようになるためのターニングポイントとなるでしょう。

そのためにも実際に採血する前の準備段階を問題なくこなせるようにしたいものです。採血のトラブルは実際に採血を行っているときに起こります。ですからその前の準備をしっかり整えておけばそのリスクを減らすことができるだけでなく、万一不測の事態が起こったときにも対応しやすくなります。まず採血に必要な道具を整えておくこと。それもとっさにすぐに使える形で準備しておくことが絶対条件です。とくに止血が必要になったときにすぐに対応できるよう、道具をふさわしい形で配置しておきましょう。それだけでもずいぶんと精神的な余裕を持つことができるはずです。

それから採血における最大のポイントとも言える採血する血管選び。苦手な看護師はどうしても「採血しやすい血管を選ぶ」ことにばかり意識が向いてしまいがちです。しかし例えば点滴をしている方、あるいは痛みを感じている部位がある方の場合、その場所はいくら血管の状態が採血に適していてもふさわしくありません。こうしたミスを防ぐためにも事前に患者と話をして確認しておくのを忘れないようにしましょう。あとは採血前の消毒です。アルコールで消毒したあとは必ずそれが乾くまで待ったうえで採血するようにしましょう。そうしないと十分な消毒効果が得られないので要注意です。こうした前準備を行う習慣を身に付けることは、採血を苦手とする看護師にとってとても重要なことといえるでしょう。